庭にいろんな花を植えている。季節ごとに綺麗な花を咲かせてくれる。集中して仕事をしていてふと顔を上げた時に、視界の中に花が入ってくるとほっとする。私は淡い色の花が好きで、原色系は好まない。心が揺さぶられるようで、なんだか落ち着かない。花は咲いたらいつかは枯れるものだ。いつまでも残っているのは造花のようなもので、自然ではない。ところが、庭の木に付いた花がいつまでたっても落ちない。一週間経ってもまだそこにある。花は黒くなりかけているのに、落ちない。私jはかわいそうになって落としてやった。どうしてかわいそうになったのだろう。自分でも不思議だった。きっと、自分の中にはいつまでもかわらないことへの不信感があるんじゃないか、きれいなままでいたいと思うのが自然なのに老醜をさらすのは花にとってもつらいのではないかと思ったのだ。花に心はないけれど、花はそれを愛でる人の心を映すものなのだ。